ファルマ・カイゼン
法令・改定対応 更新 2026.08.04

薬局のホームページに、掲示事項の掲載義務はありますか?

結論

自ら管理するホームページを持つ保険薬局は、店頭に掲示している施設基準等の内容を、原則としてウェブサイトにも掲載することが必要とされています。令和6年度(2024年)調剤報酬改定で設けられたもので、対応の猶予にあたる経過措置は2025年5月31日で終了しました。

一方で、自らホームページを持たない薬局は対象外とされています。ホームページを新しく作る義務が生じるわけではありません。

なぜウェブ掲載が必要になったのか

薬局には従来から、施設基準の届出状況や明細書の交付、営業時間といった内容を店頭に書面で掲示することが求められてきました。患者さんが、その薬局がどのような体制で運営されているかを知ったうえで薬局を選べるようにするためです。

令和6年度(2024年)の調剤報酬改定では、この考え方が一歩進みました。来局してからでなければ分からない店頭の掲示では、薬局を選ぶ前の患者さんには届かない。そこで、ホームページを持っている薬局については、店頭に掲示している内容を原則としてウェブサイトにも掲載することとされました。

経過措置は終了しています

改定直後は準備期間として経過措置が設けられていましたが、これは2025年5月31日で終了しました。現在は、ホームページを持つ薬局にとって対応済みであることが前提の状態です。未対応のまま放置すると、指導の対象になりうる点にご注意ください。

対象になる薬局・ならない薬局

判断の分かれ目は「自ら管理するホームページを持っているかどうか」です。

対象になる

ホームページを持っている薬局

自社サイト・自薬局のサイトを運営している場合は、店頭掲示の内容をウェブにも掲載します。制作を外部に委託していても、薬局が管理しているサイトであれば対象です。

対象外とされている

ホームページを持たない薬局

自ら管理するホームページがない場合、ウェブ掲載は求められていません。新たにサイトを作る義務が生じるわけではありませんが、店頭での書面掲示は引き続き必要です。

迷いやすいのは、「昔つくったまま更新していないサイトがある」というケースです。更新が止まっていても、薬局として管理しているサイトが存在する以上は対象と考えるのが安全です。この場合、内容が古いままだと掲示内容と食い違うことになり、かえってリスクになります。

ホームページに載せる内容

基本的な考え方はシンプルで、店頭に掲示している内容がそのまま基になります。新しく何かを作文するというより、掲示している書面の内容をウェブでも読めるようにする、という整理です。

代表的な項目は次のとおりです。実際に必要な項目は、薬局ごとの届出内容によって異なります。

多くの薬局に共通する基本項目

  • 薬局の名称・所在地・電話番号
  • 営業日・営業時間
  • 管理薬剤師の氏名、開設者に関する情報
  • オンライン資格確認を行う体制に関する事項
  • 明細書の交付に関する事項
  • 夜間・休日の対応体制
  • 医療DX推進体制整備に関する事項

届け出ている加算等に応じて必要になる項目(例)

  • 調剤基本料の種別
  • 各種加算の届出有無(地域支援体制加算、医薬品供給体制に関する加算、在宅医療関連の加算 など)
  • 対応可能な保険調剤の内容
  • 賃上げ・物価対応に関する評価料を算定している場合の掲示文言

つまり、同じ「薬局のホームページ」でも、必要な記載は薬局ごとに違います。他の薬局のサイトをそのまま真似ても、自局が届け出ていない加算の記載が入ってしまえば正確ではありません。手元の届出内容と突き合わせて確認するのが確実です。

2026年改定で見直しが必要になりうる点

令和8年度(2026年)の調剤報酬改定は2026年6月1日に施行されました。掲示・掲載の内容は届出内容と連動しているため、届出が変われば記載も更新が必要になります。改定後の見直しでは、次のような点が論点になりやすいところです。

A

加算の名称や届出状況が変わった場合の記載更新

改定で加算の名称や要件が変わることがあります。届出をやめた加算の記載が残っていないか、逆に新しく届け出た加算の記載が抜けていないかを確認します。

B

新設された評価料を算定する場合の追記

賃上げ・物価対応に関する評価料など、算定にあたって掲示が求められるものがあります。算定を始めたのに掲示・掲載が追いついていないケースは起こりがちです。

C

旧加算名のまま残っている記載の置き換え

店頭の掲示は直したのに、ホームページ側が前の改定のままというパターンです。ウェブは更新を外部に依頼している薬局ほど起こりやすく、見落としが目立つところです。

ポイントは、店頭の掲示とホームページの記載を必ずセットで見直すことです。片方だけ直すと両者が食い違い、患者さんにとっても分かりにくい状態になります。

今日からできる確認の手順

専門的な知識がなくても、次の順番で見ていけば現状の把握はできます。

STEP 01

店頭の掲示物を手元に用意する

ウェブ掲載の内容は店頭掲示が基になります。まず現物を確認し、最新の届出内容と合っているかを見ます。

STEP 02

自局のホームページを患者さんの目で開く

スマートフォンで開いてみるのがおすすめです。掲示事項に相当するページがどこにあるか、そもそも見つけられるかを確認します。

STEP 03

掲示物とサイトを一項目ずつ突き合わせる

「掲示にあってサイトにない項目」を洗い出します。実務上、ここで不足が見つかることがほとんどです。

STEP 04

更新の担当と方法を決めておく

改定のたびに更新が必要になります。誰が・どうやって直すのかが決まっていないと、次の改定でも同じことが起きます。

なお、掲載内容が要件を満たしているかどうかの最終的な確認は、管轄の地方厚生局等にご相談ください。当方が行うのは不足・誤りの指摘と掲載作業の支援であり、行政への適合を保証するものではありません。

よくあるご質問

ホームページを閉鎖すれば、対応しなくてよいことになりますか?

形式的にはウェブ掲載の対象外になりますが、患者さんが薬局を探す手段として検索が定着している現在、閉鎖はおすすめしにくい選択です。掲載項目を整えること自体は難しくありませんので、まずは不足箇所の確認からご検討ください。

掲示物の写真をサイトに載せるだけでもよいですか?

画像だけの掲載は、文字が読み取りにくかったり、スマートフォンで拡大しないと読めなかったりと、患者さんが内容を確認しにくくなります。テキストとして掲載しておくほうが、更新の手間の面でも実務的です。

制作会社に頼んでいますが、更新のたびに費用がかかります。

よくあるご相談です。掲載項目は改定のたびに見直しが必要なため、更新しやすい構成にしておくことが結果的にコストを抑えます。現在の維持費と内容が見合っているかも含めて、ご相談いただけます。

NOTE

本記事は2026年8月時点の一般的な整理です。算定要件・施設基準の細目は厚生労働省の告示・通知、および管轄の地方厚生局が示す内容が正となります。個別の薬局における対応可否の最終判断は、管轄の地方厚生局等にご確認ください。

AUTHOR

影山 正志

くろのや(ファルマ・カイゼン)運営責任者

薬局のホームページ制作・乗り換えと、事務作業の効率化を支援しています。制度対応の実務で実際に問い合わせの多い論点を、現場の言葉で整理してお伝えします。

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